神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

世には童貞日記なるものもあるみたい


南陀楼綾繁さんが書いた『童貞小説集』の書評が載った『COMIC Mate』は今日発売みたい。
なんせ××漫画雑誌だから、コンビニでこーそり読もうかしら。


小谷野敦氏の「童貞と学歴」(『ちくま』10月号)によると、『童貞小説集』は、

ほかにも筒井康隆の「喪失の日」とか丸谷才一の「鈍感な青年」があるが、あくまでリアルな苦悩を求めたので、これらは入っていない。


とされている。その『童貞小説集』はまだ読了していないのだが、息抜きにある日記を読んでいたら、何と童貞日記とも言うべきものであった。かの徳冨蘆花の日記を「ロリコン親父の妄想日記」とすれば、この日記は「毒男の性慾爆発日記」とよぶべきか。


よい子と女性の人は以下、立入禁止(笑



同日記から引用すると、

昭和8年4月25日 昼かえってくると、富士が手淫中で、「わるいことをしよったときにかえってきたな。」という。
        「えらいとこえかえってきたもんやな。」 
        「今、デカメロンをよんで、わるいことの最中やったんや。」


ちなみに「富士」とは富士正晴のこと。日記の筆者は、野間宏。野間も富士も共に、当時第三高等学校文科丙類の学生。野間の日記によれば、富士は当時非童貞。野間は、猫猫先生私小説「童貞放浪記」の主人公淳とは異なり、この年の7月15日にあっさり喪失。昭和8年1月から公表されている野間の日記だが、童貞日記とよべる期間は短い。しかし、彼の三高時代の日記は、喪失後も含めて並みの童貞小説よりも面白い。引用したのは、コミカルな部分だけど、基本的にはそれこそ猫猫先生の言う「リアルな苦悩」に満ちている。
なお、引用は『作家の戦中日記 一九三二−四五』上巻、藤原書店、2001年6月によった。


追記:コンビニで見てみたが、見つからなかった。ていうか、恥ずかしくて探すのに一苦労。

                                                                                  • -

別冊宝島 知られざる日本の特権階級を見る。猫猫先生の本とは購買層は重ならなさそう。


毎日ムックは見当たらず。ジュンク堂へ行かないとないかすら。