森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』を読む。
学園祭が舞台の一つに使われていて、「ビューティフル・ドリーマー」を連想した。
盟友の書物奉行氏が「京大小説」と名づけているものの、特に京大固有の話はないので、京大のことを知らない人でも楽しめるはずである。逆に、京大関係者が飛び上がって喜ぶようなことも書かれていない(のだろう)ことを不満に思う人もいるかもしれない。これなら、吉田寮に足を踏み入れたことがなくても、書いていいだろう(9月19日参照)。といっても、わしは吉田寮の回し者ではない*1が(笑
そもそも、森見氏自身が「京大小説」と名乗ったわけでもないし、私らとは世代も違うから、あれこれ言うべきものではないのだろう。
森見氏は『四畳半神話体系』でも、下鴨神社の古本市を舞台に使っていたけれど、京大との関係で言えば、お膝もとの知恩寺の古本市となるはずである。ここまで下鴨にこだわるのは、何か思い入れがあるのだろうか。
20代の頃に読めば、森見氏の小説にはまっていたのかもしれないが、もはやこの手の小説に感情移入できるような若さを失ってしまった。そんな自分が、ちょっと、悲しい。
余談だが、「学園祭事務局」として出てくる、NF(11月祭)事務局は、「セーラー服研究会」と渾然一体をなしていたはずだが、今でもそうなのかしら(笑
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『日本近代文学大事典』第5巻によると、
第一六次『新思潮』(昭和36年2月〜39年5月)。全七冊。晶文社発行。同人蟻二郎(三宅二郎)、磯田光一、小野二郎、近藤耕人、柘植光彦、中井多津夫ら二十数名。