神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

黒岩比佐子『パンとペン』(講談社)が第62回読売文学賞評論・伝記賞受賞

黒岩比佐子『パンとペン』(講談社)が読売文学賞評論・伝記賞を受賞とのこと。黒岩さんも喜んでおられることでしょう。沼野充義氏の選評には「そしてみずからも燃え尽き、この傑作を私たちに残してくれた。/残念なのは、賞がいつも人生よりも一足遅く来ることだ」と。

(参考)
堺利彦と『平民日本史』の編集」(1月30日
白柳秀湖『民族日本歴史』完成祝賀会(1月24日
堺利彦の告別式での非戦論」(1月16日
「茂木久平の死」(1月14日
黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)への補足記事一覧(該当ページ順)」(昨年12月18日

怪獣の名前を全部言えた倉田卓次裁判長

SFや幻想文学にも堪能だった倉田卓次先生が亡くなられた。倉田氏の生前のエピソードを渋川満「先輩から聞いた話(七・終)−倉田卓次さん−」*1から。

(東京地方裁判所)民事第一三部の懇親会後の二次会で、珍しく我が家に部の一同が来てくださったことがある(略)。ところが、いつの間にか倉田さんが見えなくなり、別室で(略)、幼稚園の息子二人を相手に、段ボール箱一杯の怪獣(略)の玩具を取出し目の前に並べて、しきりに説明をされている。私を見つけた長男が、「このオジさん凄いよ。怪獣の名前を全部当てたんだ」と頬を紅潮させて報告すると、倉田さんは「どうだ。凄いだろう。」と言いながら、子供相手に満足そうな顔をされるのである。

倉田判事は当時50歳代前半。今風に言えば、オタの裁判官だったことになる。

(参考)2005年12月4日昨年5月17日

*1:判例時報』2056号、平成21年12月21日。