SFや幻想文学にも堪能だった倉田卓次先生が亡くなられた。倉田氏の生前のエピソードを渋川満「先輩から聞いた話(七・終)−倉田卓次さん−」*1から。
(東京地方裁判所)民事第一三部の懇親会後の二次会で、珍しく我が家に部の一同が来てくださったことがある(略)。ところが、いつの間にか倉田さんが見えなくなり、別室で(略)、幼稚園の息子二人を相手に、段ボール箱一杯の怪獣(略)の玩具を取出し目の前に並べて、しきりに説明をされている。私を見つけた長男が、「このオジさん凄いよ。怪獣の名前を全部当てたんだ」と頬を紅潮させて報告すると、倉田さんは「どうだ。凄いだろう。」と言いながら、子供相手に満足そうな顔をされるのである。
倉田判事は当時50歳代前半。今風に言えば、オタの裁判官だったことになる。
(参考)2005年12月4日、昨年5月17日