ぐろりあ・そさえての創業者伊藤長蔵は、愛書家としても知られた存在であった。『書物関係雑誌細目集覧二』によると、伊藤が編輯兼発行人として、『書物の趣味』を昭和2年11月創刊、7年3月廃刊、全七冊。発行所は、京都市知恩院山内信重院の書物の趣味社、発売元は神戸のぐろりあ・そさえて。また、新村出編『伊曽保物語展観目録』（昭和3年）の「例言」によると、
神戸グローリヤ社の伊藤長蔵氏は、この展観につきて終始格段の興味を有し、本邦に於て実物を得がたき十五世紀の古版其他稀古の『伊曽保』の写真十葉を特に英国に注文して調整取寄せ、また欧州の『伊曽保』古版本新刊書の数々を購入し、或は古版洋書の書志（ママ）類を貸与し、且つこの仮書目を印刷せらるゝ等、予輩の展観と研究とに多大の便益を供せられたるを感謝す。洋書部の最多数は伊藤氏の蔵書にかゝるものなり。
誰ぞの持っておる愛書家名簿（http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20110115）に、出てくる人であろう。
