2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
藤澤清造『根津権現裏』(新潮文庫、平成23年7月)の西村賢太氏による解説に気になる箇所があった。『根津権現裏』は日本図書出版*1から大正11年4月に刊行されたが、無削除本と検閲により2頁分が削除され、その旨が印刷明記した紙片が貼られた削除本があるとい…
先々週東京古書会館で『静坐 自八巻七号至十七巻九号』と背表紙に書かれてバインダーで編綴された雑誌を発見。京都市吉田本町にあった静坐社が発行していた『静坐』の8巻7号(昭和9年7月)から17巻9号(昭和18年9月)までのうち不揃い14冊で1000円、「かんたんむ…
久しぶりに『南木芳太郎日記』を買ってきた。第3巻が平成26年8月に出ていたのであった。解題として、南木ドナルドヨシロウ「南木芳太郎の蔵書印」が付いている。読んでいると、「原始藝術品蒐集者にして幼年美術研究者だった宮武辰夫のもう一つの顔」で紹介…
浜田雄介編『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』(乱歩蔵びらき委員会、平成16年10月)を読んでたら、大正14年4月に乱歩、春日野緑、西田政治、横溝正史らにより創立された探偵趣味の会に、春陽堂の島源四郎の紹介で斎藤龍太郎ら3名が入会していたこ…
千代田図書館で開催中の企画展示「検閲官ーー戦前の出版検閲を担った人々の仕事と横顔」を観て、併せて講演も聴いてきました。講演は、村山龍氏(慶應義塾大学非常勤講師)による検閲官佐伯慎一(筆名・郁郎)に関するものと安野一之氏(NPO法人インテリジェンス…