神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

前橋市で開催されたマヴォ展

これも下書きにあったものであるが、出典は 五十殿利治『大正期新興美術運動の研究』だったと思う。

連続展とは別に四月中旬(一六—二〇日)、前橋市桑町日高屋文房具店で、つまり東京以外ではじめて開催された「マヴォ」展がある。前年(一九二三年)一〇月住谷磐根は前橋市役所前清水書肆で、「震災のために郷里へ一ケ月ばかり滞在中の作品を主として列べました」と出品目録に記した「意識的構成主義的個人展覧会」を開催していた。 「マヴォ」展も実際には「イワノフ・スミヤウ井(ママ)ツチ 戸田達雄作品展覧会」という名称で開催されたもので、ふたりが一〇点ずつ出品し、番外として尾形、大浦、加藤、門脇、柳瀬、岡田、高見沢、村山の作品が展示されたことになっている。戸田の回想によれば、高見沢も前橋に赴いており、村山、尾形、大浦、加藤、柳瀬、門脇の作品を各一点、そして住谷、高見沢、戸田の三人の作品を数点ずつ並べ、さらにこの三人で制作した「合作モニュメント作品」を萩原朔太郎に進呈して悦ばれたという。

名字の出てくるのは、尾形亀之助、大浦周蔵、加藤正雄、門脇晋郎、柳瀬正夢、岡田龍夫、高見沢路直、村山知義である。なお、住谷と戸田は群馬県生まれである。