神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

萩原朔太郎と萩原久磨燠

萩原久磨燠『太陽を踏破りて』(自然社、大正15年5月)については、
プロレタリア出版社自然社の梅津英吉」で言及したが、萩原久磨燠が『萩原朔太郎全集補巻』所収の書簡の中に出てきた。

昭和10年12月26日付市内小石川区諏訪町五〇渡邊良之助様方萩原久磨燠宛書簡によると、

御手紙、原稿拝見。童話面白くよみましたが、小生は雑誌新聞の記者とは全然知巳(ママ)なく御紹介する手段、ありません。

全集の注では、久磨燠について未詳としている。前記久磨燠の著書の表紙には著者名は萩原創星とあり、奥付には久磨燠の住所として鹿児島県肝属郡東串良村川東とある。朔太郎と縁戚関係はなさそうである。その他、久磨燠の最後に確認できる著作は、雑誌記事索引データベースにある『九州文化』2巻5号、昭和10年8月掲載の「壁」(随筆)と思われる。