神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大槻憲二と諸岡存


『コレクション・モダン都市文化 第25巻 変態心理学』(ゆまに書房、2006年12月)に東京精神分析学研究所編『阿部定精神分析的診断』(東京精神分析学研究所出版部、昭和12年1月)が復刻されている。そこに諸岡存(東京精神分析学研究所客員/医学博士)が「戒心すべき誰にでもある傾向」を執筆していて、その解題として和田桂子

諸岡存(一八七九年〜没年不詳)は、一九一四年九州帝国大学医学部を卒業後、一九一九年に英国に留学、モット卿に師事して精神病理学・脳生理学を研究し、一九二二年に医学博士となった。師にあたる榊保三郎との共著『スタイナツハ氏若返り法研究』(改造社、一九二二年)などがある。『精神分析』第六号(一九三三年一〇月)には「諸岡博士の診療室」と題する探訪記事が見られる。


と書いている。諸岡の没年については、書物奉行氏が昨年6月1日で1947年あたりと推定しているところである。


冒頭の書の巻末の「関連年表」によると、諸岡は、大槻憲二主宰の東京精神分析学研究所の機関誌『精神分析昭和8年11月号に「精神分析思ひ出の記」を書いているという。これを読みたいと思っていたが、不二出版から復刻が出るのでありがたい。その上、別冊(解説・総目次・索引)が千円で分売とは感謝。