ピンクのモーツァルトならぬ、ピンクの井上章一先生。『狂気と王権』は昭和11年8月29日、島津久光の孫で、元女官の島津ハルらが不敬容疑で留置された新聞報道から話が始まる。その後は、木戸幸一や牧野伸顕の日記を引用しているが、井上先生が見ていない日記がある。
天羽英二の日記によると、
昭和11年8月31日 島津夫人(谷正之*1夫人母)逮捕 不敬事件、邪教事件 宮野保安課長*2ニ真相ヲ聞ク
天皇陛下ハ松方老公娘ノ子、秩父宮ガ正嫡、二・二六事件ハ天皇、秩父宮ノ争云々
何とも畏れ多いことが書かれている。「松方老公娘」とは誰のことだろう。
井上先生の「ピンク」については、「猫を償うに猫をもってせよ」2月29日分参照。
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早川書房のリック・ゲコスキー『トールキンのガウン 稀覯本ディーラーが明かす、稀な本、稀な人々』。著者は英文学、書誌学に堪能なセドリ師。猫猫先生、森洋介氏、書物奉行氏を足して三、いや三では薄くなってしまう、濃さから言って二で割ろう(笑)、二で割ったような人。私には出久根達郎『作家の値段』の方が面白かった。