神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大槻憲二の東京精神分析学研究所と平塚らいてう・奥村博史夫妻


大槻憲二が主宰した東京精神分析学研究所の昭和8年現在の所員に奥村博史という人がいる(昨年9月23日参照)。このブログを見ている常連者の中には気付いた人もいると思うが、この人は平塚らいてうの「若いツバメ」と揶揄された人と同じ名前である。いや、実は同一人物である。


精神分析』3巻2号(昭和10年3月1日)所収の「或る覚醒時の夢」で奥村は、自分が見た「白熱に輝く太陽に乗つてゐる」夢について分析を求めているが、それに対して記者は「太陽」については問者の夫人平塚らいてう聯想すると回答している。また、「編輯後記」で、「奥村博史は水彩画家として、工藝美術(殊に指輪)家として、また俳優として、多方面に活躍してゐられることは人々のよく知るところである」と紹介されている。「本研究所関係者名簿」には、「成城学園前奥村博史」とともに、「東京平塚雷鳥」とあって、夫妻共々研究所に関係していたことがわかる。それにしても、らいてう夫妻と精神分析というのは、いったいどういうつながりなのだろう。

                                                        • -


書物蔵」さんが台湾愛書会に関する研究を発表中。ブログではもったい内容。まとまったら、『日本古書通信』にでも掲載してもらいたいものである。


さいたま文学館では「マンガ聖地巡礼inサイタマ☆ 〜文学VSマンガ part2〜」展を開催中。3月15日まで。マンガ・アニメは埼玉県の特産品らしい。