神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

もう幾つ寝ると「青空古本市」


森見登美彦『四畳半神話体系』(太田出版、2005年1月)から。

あれは一年前の夏の下鴨納涼古本市だった。(略)
木漏れ日の中でラムネを飲んで、夏の風情を心ゆくまで味わったあと、両側に連なる古本屋の出店を冷やかしながら歩いていった。どこに目をやっても、古ぼけた書籍がみっちりと詰まった木箱が並んでいて、いささか目が廻る。北へ延々と続く縦長の広場の中央には、毛氈を敷いた床机が並んでいて、私のように古本市酔いを発症したらしい人が行き場を失ってうなだれていた。私もそこへ腰掛けて放心した。八月のことなので蒸し暑く、私はハンカチで額の汗をぬぐっていた。


蒸し暑さも、やぶ蚊の出没もとんと記憶になく、ひたすら古本あさりの記憶しかない。人間嫌なことはすぐに忘れてしまうものだ。
また古本市酔いを味わいたいものだ。
早く、こいこい、青空古本市の季節。


追記:ダレゾが三宮に出現しそうな悪寒・・・