神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2005-12-18から1日間の記事一覧

『戦後「翻訳」風雲録』(宮田昇著)から

アメリカ史を専門とした彼の叔父の自伝的論文によると、 彼の父は、戦前の北海道庁、ついで樺太庁(今のサハリン) の移民課の技師を経て、松岡洋右外相にコネをつけて大陸に 渡り「満洲国」官吏となった。その後、家族を日本に帰すと、 「蘭」特務機関員に…

『SFの時代−日本SFの胎動と展望』(石川喬司著)中「SF界展望 SF界1976」から

76年のSF界回顧は、まず福島正実の急死(4月9日) から始めなければなるまい。(中略) 「SFアルカギリ貴殿ノ名ハ消エズ」という 無名の一ファンから寄せられた弔電は、このパイオニアに ふさわしい墓碑銘といえるだろう。 遺稿となった『未踏の時代…

『SFの時代−日本SFの胎動と展望』(石川喬司著)中「Ⅰ作家論のためのノート 福島正実 −ミスターSFの道」

星新一や矢野徹がルートを拓き、小松左京が万能ブルドーザー で地ならしをし、光瀬龍がヘリコプターで測量し、眉村卓が 貨物列車で資材を運び、筒井康隆が口笛を吹きながらスポーツ カーを飛ばし・・・という例のぼくのSFランド案内記ふうに いえば、福島…

『戦後「翻訳」風雲録』(宮田昇著)から

この間、出版物の内容は、大きく変わった。福島正実の創作 は、児童物を除いて市場から姿を消して、SF作家も、光瀬 より少し前、星新一(1926〜1997)が死んだが、全 体として勢いがない。だが、福島の翻訳したハインラインの 『夏への扉』、アシ…