神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

映写機や映画の製作輸入会社アクメ商会のPR紙『アクメニュウス』

おもちゃ映画ミュージアムで2月10日まで「国産アニメ誕生102年 パイオニアの一人、北山清太郎関連の資料ミニ展示」が開催された。しかし、いつでも行けるとうかうかしてたら終わってしまった。さて、津堅信之『日本初のアニメーション作家北山清太郎』(臨川書店、平成19年7月)に北山が大正10年設立した北山映画製作所の作画スタッフの経歴が紹介されている。そのうちアクメ商会に係わる人物は、

・橋口壽 生没年未詳。(略)北山の「線映画の作り方」では、「橋口は惜くもアクメ商会で他界したが」と記述されている。田中純一郎の「日本教育映画発達史」によると、アクメ商会は一九一九(大正八)年設立の合資会社で、アメリカのアクメ携帯用映写機や国内外の教育映画の製作輸入を行っていた会社だという*1。(略)
・石川隆弘
生没年未詳。(略)北山映画を離れてから、アクメ商会に移籍したようで、アクメ商会製作の短編アニメーション『孫悟空』(一九二八)の撮影スタッフとして記録が残っている。

アクメ商会の詳しいことは知らないが、そういえば何年か前にみやこめっせの古本市でシルヴァン書房出品のアクメ商会発行『アクメニュウス』を拾ったなあと思い出した。ちょうど、吉永師匠との古本バトルで家探しする必要があったので、掘り出すことができたので紹介しておこう。
入手したのは、11号、昭和2年8月15日発行で、毎月1回発行とある。第1頁は巻頭言としての「お役所映写班の出張映写料金徴収問題」のほか、暑中見舞いとして社員一覧が記されている。

東京本社 西五辻朱仲
(イロハ順)
井村俊彦
林隆一
羽田金作
奥田重徳
渡邊秀三郎
加治専治
片岡國雄
中田幸介
山田全吉
込山靖策
林美一
阪本十四
佐藤竹尾
佐藤清美
宮澤友成
鈴木吉太郎
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笠原義造
小林亮一郎
佐々木杢郎
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大阪支社
大高啓三郎
石川憲彰
和田常次郎
中野清一郎
上田茂一郎
兒玉正夫
有馬純幸
坂口幾三郞
木村稔
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福田史朗
井上無三四
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西五辻と大高の文字のポイントが大きく、笠原、小林、佐々木、福田、井上の五人が太字である。残念ながら、橋口や石川の名は見当たらない。記事としては、警視庁検閲係長橘高廣の「映画漫談(上)」、映画『宇宙の驚異』を紹介した徳川夢聲「虚無を超へて」といった豪華な執筆陣の他、片岡國雄(アクメ商会撮影部)「カメラワークの実際(三)」が『宇宙の驚異』中のトリックの解説をしている。全10頁のうち半分が記事、半分が発売映画*2の紹介となっている。編集兼発行人は渡邊秀三郎、アクメ商会の所在地は東京市京橋区五郎兵衛町、大阪支社は大阪市西区新町通4丁目にあった。また、第10頁にはアクメ映写器部・パワー映写機部・シンプレツクス映写機部東洋総代理店とある。何号まで出たのか不明だが、揃いで通覧できたら色々発見ができそうである。

*1:田中『日本教育映画発達史』(蝸牛社、昭和54年9月)には、その他「主宰者西五辻朱仲」とある。

*2:『二人の處女』、『太陽は休まず笑ふ』、『強者』、『つはもの』、『雪崩』、『尊き生命』、『藤原藤房卿』、『藤太郎と母』