神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『中野重治と社会主義』(石堂清倫著)から


   しかし福本(和夫)にとって最大の精神的打撃は彼の
   熱心な支持者が揃いも揃ってマルクス主義を捨てたこ
   とであろう。最高の使徒水野成夫反共主義どころか、
   誰にもできない離れ業で、戦後吉田茂首相の最高ブレ
   ーンに納まった。新人会のリーダーの大間知篤三は
   柳田国男の門下の民俗学者になり、辻政信大佐の推輓
   で満州国建国大学の教授に、スーパー福本主義者の
   石田英一郎は、やはり文化人類学に逃避してしまった。