神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『明治文学余話』(木村毅著)から


   初めて中之島の図書館にいった。田舎にいる時、読みたく
   ても持っている人のなかった小栗風葉の『青春』と、小杉
   天外の『魔風恋風』を借覧申込紙にかいて出すと、頭をき
   れいに分けた司書が、私のまだ子供なのをみて、
   「君等のような若い者が、こういう不健全な小説に今から
   読みふけるような事ではいかん」
   と云って貸してくれなかった。