神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

下鴨納涼古本まつりで拾った『現代婦人就職案内』(婦女界社、大正14年3月)

下鴨納涼古本まつりで100円。どの店だったかは不明。「日本の古本屋」では4500円。『婦女界』31巻3号の附録で、編輯兼発行兼印刷人は、都河竜。
目次は、

□新たに就職する方々の為めに
□婦人の天分を発揮すべき職業
女医、歯科医、看護婦、助産婦、薬剤師、派出婦
□最も婦人にふさはしい職業
中等教員、小学校教員、幼稚園保姆、事務員、タイピスト、女店員、女子電話局員、女子出札係、女中、女工
□新しく開拓されつゝある職業
速記者、婦人記者、婦人図書館員、製図手、計算手、図案師、婦人外交員、婦人探偵、女車掌、婦人写真師、婦人ガイド、ラジオ送話者
□時間にしばられぬ職業
画家、音楽家、琴の師匠、舞踏三味線、琵琶の師匠、茶と生花、結髪美容師、洋服裁縫師
□強固な意志を要する職業
女優、映画女優、モデル、女給、料理店女中、劇場案内人
□各地の職業紹介所

目次にはないが、「新たに就職する方々の為めに」の執筆者は太田菊子。本書はなかなか面白い内容で、毎年出ていたのなら揃えたいものである。婦人図書館員について引用しておこう。

婦人図書館員
職業の性質 教養ある婦人の落着いた仕事として前途ある職業です。米国あたりは図書館員中三分の二以上が婦人だそうで、我国でも図書館の発達に伴ひ、今後大いに嘱望される筈です。
収入 教習所卒業後の初任給は四五十円ですがその人の教養程度で重く用ひられます。
就職 各地の公私立図書館、各学校の図書館等に勤めるので、学校の紹介で就職します。
資格 高女卒業後専門の教育を受けます。
▲文部省図書館員教習所(上野図書館内)
修業年限 一ヶ年(寄宿舎なし)
入学資格 高等女学校卒業程度
学資 月謝不要 卒業後の責任なし
願届提出 三月末日迄

実際のところ教習所卒業生の何割が女性だったのだろうか。