今成覚禅と九鬼文献

４月３日に言及した今成覚禅は、三村三郎『ユダヤ問題と裏返して見た日本歴史』（日猶関係研究会、昭和28年8月）に出ていた。

先日も福井市孝顕寺（松平春嶽、慶民等の菩提寺）の今成覚禅和尚がきて、氏一流の「新神道論」を聞かして下さつたが、その時の話に、新進気鋭の新神道イズムの研究者伊勢の藤井（岐）氏、出雲の阿[ママ]郷（哲）氏ほか多数有為の人たちが九鬼古文書を取りあげていることを承り、（後略）

とある。戦前、藤澤親雄に九鬼文献の資料を提供したのは、三村であるので、今成と藤澤に接触があっても不思議ではないね。

中山忠直と谷崎潤一郎を結ぶ線

『定本佐藤春夫全集』第36巻（臨川書店、2001年6月）所収の昭和7年（推定）4月24日付け添田知道宛の「辻潤後援会」の案内状に発起人として、

　佐藤春夫　　谷崎潤一郎
　北原白秋　　武者小路実篤
　新居格　　　宮島[ママ]資夫
　室伏高信　　宮川曼魚
　西谷勢之介　井沢弘　
　田中貢太郎　加藤一夫
　中山忠直　　古谷栄一
　津田光造　　安藤更生

の名前が挙がっている。中山啓（中山忠直）と谷崎潤一郎は、辻を通してつながるのだね。