
末木文美士・中島隆博責任編集『日本の近代思想を読みなおす』(東京大学出版会)第5巻は、西平直『身体』。岡田虎二郎「静坐の原理」が収録されている関係で、巻末の「文献一覧」に岸本能武太『岡田式静坐[法]の芯[ママ]研究』(大日本文華、一九二一年[栗田英彦「国際日本文化研究センター所蔵静坐社資料ー解説と目録」二〇一三年])が挙がっていた。
なお、西平氏は解説中で漱石日記に妻鏡子が「静坐」に行く場面があることに対する『漱石全集』20巻(岩波書店)における注解「神道系の精神修養に通っていたと思われる」を挙げ、大正3年の出来事で白山御殿町が会場だから、岡田の「静坐会」であった可能性があるとしている。これはその通りで、私も既に「『定本漱石全集』20巻(岩波書店)注解への若干の補足ーー漱石夫人夏目鏡子と岡田式静坐法ーー - 神保町系オタオタ日記」で指摘したところである。