神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

かわじもとたかさんから貰った青山毅の『ブックエンド通信』創刊号(昭和53年)

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 だいぶ前にかわじもとたかさんから頂いた『ブックエンド通信』創刊号(青山毅、昭和53年12月)。ありがとうございました。青山の経歴については、ググると「はてなキーワード」に詳しい。昭和15年生、平成6年没。本号刊行時は日本近代文学館勤務、後に日外アソシエーツ勤務。短期間四国女子大学に勤務するが、基本的には在野の書誌学者だったと言っていいのだろう。
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 目次を挙げておこう。メインは、『明治大正文学全集』附録『春陽堂月報』の目次である。特に56巻『江戸川乱歩大下宇陀児甲賀三郎小酒井不木』の月報の入手に苦労し、文学堂書店の内藤勇*1から『幻影城』の島崎博を紹介してもらい、コピーを入手できたという。その後、『春陽堂月報』は、青山の編集で『昭和期文学・思想文献資料集成』3輯(五月書房、平成元年12月)として復刻版が刊行されている。
  「《ブックエンド通信》について」『書誌索引展望』4巻3号,昭和55年8月によれば、創刊号は千部発行。『図書新聞』、『銀花』、『文学界』等が取り上げてくれたという。今なら、文学フリマで売るという手もあるか。9号,昭和59年9月まで刊行されたようだ。国会図書館には納本しなかったようで、所蔵されていない。生きておられたら、今年で80歳。かわじさんに紹介していただく機会があったかもしれない。最後に「ブックエンド通信」『ブックエンド通信』5号,昭和55年4月から、蒐書に当たり見習うべき態度を紹介しておこう。

《ブックエンド通信》の刊行を続ける限り、私は資料の世界へ、蒐集という目的で旅に出る。その旅たるや、正しく彷徨の旅なのだ。彷徨することによってこそ、資料蒐集が可能となる。私とて一介の給与所得者である。しかし、資料蒐集は金の問題ではない。金の世界を通り越した何かが、そこに存在する。だからこそ、資料を求める旅に出て、彷徨することが出来るのだ。そこにあるのは、私の資料に対する貪欲だけである。

*1:最近96歳で亡くなられたとTwitterに「初版道」氏が、書いておられた。