神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

百萬遍知恩寺秋の古本まつりで拾ったスクラップブックの楽しみ方ーー明治の閨秀画家野口小蘋と跡見花蹊ーー

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2年前に百萬遍知恩寺秋の古本まつりで福田屋書店の200円均一コーナーからスクラップブックを購入。表紙に「白萩 香山」とあり、宮川香山と関係があるのかなと思って買ってみたが、関係なさそうだ。「藤井蔵書」と書かれた蔵書票が貼られていた。内容は、画報、美術雑誌、新聞等からの切り抜きで、ほぼすべての出典が分からない。木股先生だったら、こういう出典不明のものは買わないかもしれない。
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唯一出典が分かるのは、『美観画報』第1号附録からの「伊勢神廟五十鈴川の実景」である。同画報は、国木田独歩の近時画報社が明治39年1月に創刊したものである。
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竹久夢二の口絵も2枚あった。これだけで200円の元は取れるだろう。
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最も多いのが、野口小蘋(のぐちしょうひん)と跡見花蹊の絵である。2人とも京都の日根対山に師事した閨秀画家で、奥原晴湖と共に明治三大閨秀画家と称されたこともある。もっとも、跡見は跡見学園の創設者として知っている人の方が多いだろう。写真を挙げておくが、野口は他に「芙蓉野菊」「桃柳」「柳陰釣艇」「白菜紅梅」「双燕」「瀧」「秋江清趣」など、跡見は「月前萩」「蘆花」「枝豆」「菜籠」なども貼られている。おそらく野口と跡見は同一の本・雑誌に掲載されたものと思われるが、国会図書館人文総合情報室の優秀な諸君ならどうやって調べるだろうか。
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跡見や坂正臣、多田親愛らの書も貼られている。他には、「大阪美人」とか、「慶應義塾優勝旗」もあって楽しめるが、出典が分からないとモヤモヤする……
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参考:「高橋箒庵が見た閨秀画家野口小蘋と小蘋挿画『画法自在』(博文館) - 神保町系オタオタ日記