下鴨神社や百万遍知恩寺で開催される青空古本まつりから100円均一コーナーが消え失せて数年が経つ。『山岳語彙採集帖』(日本山岳会、昭和11年12月)は確か熊本地震の被災者へのチャリティーとして均一コーナーが一時的に復活した時に見つけたと思う。巻頭の「御願ひ」によると、「山岳地方の方言蒐集及び日常の使用具、植物、動物、天象或は習慣等の調査は日本山岳会に於て多年の懸案でありました。今度、本採集帖を作成し皆様の御手許に御送付申上ます」とある。目次の写真も挙げておく。
「雑」に分類された項目の中に「山彦」「深山に居る小児の形をした怪物」「木を伐る音をさせる山中の怪物」「雪女郎といふ怪物」があって面白い。
非売品の冊子なので国会図書館にもないだろうと思ったが、国会図書館サーチで検索すると意外にも国会図書館のほか大学図書館も含めて13図書館が所蔵していた。私が入手したものには書き込みが無かったが、図書館所蔵分に書き込みがあったら面白そうだ。日本山岳会は採集帖を回収して、集約しただろうか。