朝倉治彦編『鳶魚江戸学:座談集』(中央公論社、平成10年12月)の「鳶魚と早稲田」に禊教が出てきた。
朝倉 戦後、戦争中からはじまって戦後まで、偏*1無為という人の研究をずっとやっている。菊池先生ご存じありませんか。
菊池(明) 私は知りません。禊教(ルビ:みそぎきょう)の関係の手控えはものすごくありますね。先生は和紙に毛筆で一枚一枚書いて、ある程度集まりますと、私がお使いで神田の製本屋池上幸二郎さんのところへ製本に持っていくんです。出来上って届けると、いやあ、君、出来た、出来たといってほんとうにうれしそうな顔でした。(略)それは演劇博物館に収まっています。晩年はそういう方面の研究に熱心で、亡くなる直前、教祖井上正鉄(ルビ:まさかね)の肖像画を持ってきてくれといわれまして、東京から山梨の下部まで運んだことがありますよ。
また、同書の「鳶魚の思想と学問」には、
朝倉 三田村さんは寛永寺の坊さんになりましたが、その宗派だけに満足できないで、禅宗などほかのいろいろな宗教の研究もはじめます。江戸文化の研究のまん中くらいから、半分は神道大成経の研究に没頭している感じです。日記では静坐調息もやっているんですよ。とおかみ講ですね。井上正鉄の禊教です。教団があちこちにあって、自分もときどき出かけていってやっています。(略)
三田村鳶魚は江戸学だけの人ではなかった(*_*)
- 作者: 朝倉治彦
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/12
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*1:ママ。正しくは、行人偏