神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和15年における近江兄弟社の吉田悦蔵と近江療養院

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数年前知恩寺の青空古本まつりで竹岡書店の3冊500円コーナーで昭和15年の日記帳(寶文館)を見つけた。9月8日と10月24日から12月30日までしか書き込みがないが、北支派遣部隊の岸本某から滋賀県八幡町近江療養所[ママ]内の塚口某宛の葉書が挟まっていて誰の日記か判明することや吉田悦蔵が出てくることから購入。
日記を書いた塚口の経歴は調べても分からなかったが、タイピストだったようで入院した近江療養院(現・ヴォーリズ記念病院)にタイプライターを取り寄せて職員に指導したりしている。また、病人の割には元気で、院内でゴルフ大会をしたり、近江セールズ会社の運動会へ撮影に行ったり、近江兄弟社女学校の学芸会へ出かけたりしている。そのほか、10月30日には洗礼式に参加している。次のとおり(適宜句読点を補った)。

(略)天川政隆先生の診察有りたり。
(略)
一時より洗礼式だ。深尾銈三兄及尾崎ヨネ氏だ。終了后記念撮影有りたり。夕方よりは魚釣りだ(略)

イヴには吉田が登場する。

朝はサナトリウムのクリスマスだ。
教会の礼拝に行く。
昼は祝賀会、例年の如くに御馳走だ。夜は催しだ。
カタログ通り進捗す。
中にも兄弟社の吉田悦蔵氏がユーモア、タップリのクリスマス□□と豊富なる話題を播き散らす。
(略)

吉田は、『吉田悦蔵伝』(近江兄弟社昭和19年11月)によれば、この年数え51歳、12月11日に開館式のあった近江兄弟社図書館の館長に就任している。