神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

臼井書房の臼井喜之介と野薔薇詩社の稗田菫平

文庫櫂で買った稗田菫平宛葉書の中に臼井喜之介のもあったはずだと探して見ると、何枚かありました。そのうち昭和49年の年賀状には、印刷(名前のみ署名)で
・月刊『京都』、俳誌『嵯峨野』、『日本の老舗』、詩誌『詩季』の四誌とともに忙しながら、つつがなく越年
・今年は出版の仕事の閑を見て、書く方にもはげみたいこと
などが書かれている。
臼井と稗田の関係は詩人同士というほかは不明だが、昭和24年(?)7月消印の臼井書房(京都市北白川京大北門前)から富山県西砺波郡子撫村の野薔薇詩社稗田宛葉書には、用命の野薔薇100冊を代金引換小包で発送したことが書かれている。「日本の古本屋」に金沢文圃閣が稗田旧蔵の『野薔薇』を出品してるが、22年9月創刊の雑誌のようだ。おそらく臼井書房が印刷を頼まれたのだろう。
執筆活動にもはげみたいと願った臼井だが、年賀状を出して間もない49年2月22日脳溢血で亡くなった。