神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

高橋輝次様、『関西文学』を買ったのは実は私です。

善行堂で『ほんまに』19号特集「わたしたちの少女文化」を購入。高橋輝次「兵庫文芸史探検抄」を読んでいたらビックリ。昨年12月大阪古書会館で開催された「全大阪古書ブックフェア」での出来事として、

(略)書友O氏に声をかけられた。氏によれば、今回、池崎書店のコーナーに珍しい本や雑誌が沢山出ているとの話なので、私もあわてて馳せ参じた。関西学院大文学会から発行された、竹中郁が参加していた『関西文学』二冊もあったそうだが、再度見たらすでになくなっていたというから残念だ。(略)

とある。すみません、それ買ったのは私です。当日は、ダッシュで三階に駆け上がり、まず古書鎌田の棚を探すも見つからず、店主を見つけ聞いたら、何のことはない目の前の棚だった。もっとも、店主曰く、去年みたいな安い本の放出はないですよと。ありゃー、あわててきょろきょろすると、鬼ぽんことゆずぽんさんら常連らが群がっている棚がある。早速わしも戦前の大阪の文芸同人誌などを確保。後からわかったが、この厚生書店の棚には浦西和彦旧蔵書が出ていたらしい。問題の池崎書店の棚を見たのは少し時間が経っていたと思うが、『関西文学』(関西学院文学部英文学会)1925年7月版と1926年2月版があった。2000円と1500円だったかと思う。前者の目次は、

寝顔(創作) 堀経道
朝(創作) 竹村卓
『悌一』(創作) 坂本遼
骰子(創作) 青山順三
短詩四章(詩) 竹中郁
六月の海にて(詩) 大江信
猫と紫陽花(創作) 三村千秋
拜跪するジウラ(戯曲) 富岡捷
失題(創作) 三谷友之祐
冬晴(創作) 天道正人
秋の野の合唱(詩) 梯日呂夢
一つの蛩音(詩) 三由杳一
編輯後記

後者には、竹中の執筆はなく、坂本遼「春」などが載っている。「竹中郁の住所が書かれた『働く人の詩』2号(新大阪新聞社)」で紹介したように、この日一階では鉛筆で表紙に竹中の住所と名前が書かれた『働く人の詩』2号も拾っている。偶然の一致か、旧蔵者が同一かは不明だが、竹中のシンクロであった。