神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

四天王寺春の大古本まつりで『日本心霊』266号(日本心霊社、大正14年9月1日)を拾う

四天王寺の古本まつりで上記を。入手困難と思っていたが、今年に入って459号、昭和6年1月20日に続き2号目である。出るときには出るものである。もっとも、揃いで出ることはないだろう。縦54cm横40cmで現在の新聞と同じ大きさである。4頁で毎月1日、10日、20日の3回発行。発行所の日本心霊社は日本心霊学会と同所在地の京都市河原町二条下ルに所在。
主な記事は、1面に「当面の不景気時代/其持参せる「土産」を味へ」、福来友吉「日本心霊学会創立十八周年紀念講演会講演筆記(六)/無念一念(六)」、今村新吉と平田元吉の新刊予告など、2面に久保田慶治「珍らしき頑固なる胃疾治癒/「奇蹟」と云ふの外なし」、「一枚の神籤にも縋る/「信」ずる所に「迷」がある乎/療病迷信の種々相(続)」、「文化宗徒と丹田宗/大虚道人の丹田論(続)」など、3面に相原国三郎「私は斯くして「心霊」の力を感じた(上)」、「心霊力による疾病実験」、日本心霊学会本部の「汎く有志の人々に心霊治療法の原理と施術方法を教ゆ」という広告など、4面は日本心霊学会本部の出版物などの広告。人文書院の前身である日本心霊学会については、科学研究費が付いて2015年度から2017年度までの3年間共同研究「デジタルアーカイブ構築による人文書院戦前期資料の多面的文化史研究」が進められているので、その全貌がいずれ明らかにされるであろう。日本心霊学会の創立者渡辺久吉については、『出版文化人物事典』(日外アソシエーツ、2013年6月)でも立項されているが、書き替えが迫られることになるかもしれない。