池田耕治『もぐら庵 遊びの印』第8集（もぐら庵穴ぐら、1994年2月）を井上書店で300円。著者は、自称「遊印家」だそうで、本書には芥川賞作家林京子、豊中の古書店松宮書店、米長邦雄名人、石川さゆりなど様々な人のために彫った石印の印影が原寸大で掲載されている。その中で一番驚いたのが、ジョージ・ルーカス用の印。大阪城ホールで開催されたイベントショウのプロデュースにルーカスが来日し、スポンサーのＭ電器へ表敬訪問に来るため、同社の宣伝部から頼まれたという。
あれこれ迷ったあげく、彼の創り出したキャラクターの一人、愛すべきヨーダー（ママ）を彫ることにした。
（略）
次に私は古文の辞書からルーカスの日本文字を捜し出す。流宇火素・瑠有過州・留羽花須・流雨歌洲・・・。こんな中から彼に合うような文字を決めてヨーダーと組み合わせてみた。
結局、印影を見ると「流宇花巣」と決めたようだ。届けられた桐箱入りの印は、ルーカスに非常に喜ばれたという。ルーカスの蔵書に押されているのだろうか。
