神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

吉田東洲の本に尾島真治登場

尾島真治という心霊学を研究していたらしいキリスト者については、「中山忠直の暴走する妄想(その1)」、「長尾真治ではなく尾島真治だった」や「『古人今人』の「知人消息」欄の資料的価値」で紹介したところである。その尾島が「戦後も活躍した藤沢親雄」で言及した吉田東洲『人物遍歴縦横録』に出てきた。

尾島真治は昭和八、九年政界春秋時代、渋谷の尾島方に時々訪問した。基督教関係の原稿依頼のためであった。今日でもどの程度かをはっきりしらぬが、貧乏で門戸を張らぬ所に悪くなかった。此頃富ヶ谷漱石の女婿正富汪洋を訪問していたので、尾島と人柄が同程度に思へ記憶がたしかでない。然れども尾島は或程度の論客であったる如し。先程死んだ大塚寛一も此頃の知合ひである。

尾島は政界春秋社から『代議政治と一神教』を昭和12年に刊行。吉田が主筆を務めた『政界春秋』に掲載されたものかもしれない。尾島については、誰か本格的に調べてほしいものである。
なお、正富の項には、「四十余年前のことで東洲が「詩人時代」に詩を書き、「政界春秋」に評論を書く頃」とある。「漱石の女婿」は何かの間違いだろう。