神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和42年における里見とんの個展?

中谷治宇二郎『考古学研究への旅 パリの手記』(六興出版、1985年11月)の「あとがき」(今永清二)に、

『日本縄文文化の研究』が上梓されたとき、私は東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のイスラム文化専門委員会に出席した折、出版元の昭森社を訪れた。神田の奥まった小路に同社はあったが、社長の故森谷均氏は日本橋三越で開かれている里見弓享の個展の世話のため出かけており、私に三越へきてほしいという。そこで、三越六階の画廊でお会いした。一寸した知的で芸術的雰囲気のなかで、お会いしたことになる。出版のお礼を申し上げ、しばらく雑談して辞去したが、強い雨の日であったこともあって、そのときの印象は鮮やかである。

中谷の遺稿集『日本縄文文化の研究』が出版されたのは昭和42年だが、里見の詳細年譜を見ても、同年に「里見弓享の個展」に関する記載はない。