神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

今は昔の海外SF出版の黄金時代ー安田均インタビューからー

山本博一編集人、岡本安司発行人『ロードランナー』3巻1号(20号)、昭和55年(1980)4月に、安田均インタビュー「海外SFを読む人のための目安を作りたい」(インタビュアー:山本義弘)が載っている。今となっては特に目新しい内容もないが、一部を引用しておこう。

安田:(略)ところがサンリオが海外SFを紹介するという事になると、早川も刺激を受けてそれまで今か今かと待たれていた海外SFノヴェルズをスタートさせるし、創元社の積極的参加など、今はもう出版点数が多過ぎて、紹介の方が追いつかないといった状況です。数年前の全然紹介されなかった時期の反動が二年前辺りからどっと出てきている。新刊の紹介が出来ないと言うより、紹介するより早く毎月6冊とか7冊の傑作・名作SFが出版されているので、紹介が間に合わないんですね。まあ、古いのから新しいのから同時に出てきているんで、読み手としては何から読んだら良いのか判らないという状況なんじゃないですか。だから、今から、現在の海外SF の出版の流れを位置づけていって、十年経った時点で振返って読んだとなれば、今の時代が海外SF出版の黄金時代だったんだなと思うんじゃないか。とにかく、こんなに沢山出版されてる時代は今までに無いんですからね。

黄金時代もあれば、その後の冬の時代もあったわけである。なお、『ロードランナー』という会誌は、入会申込書によると、「すでに複数の会に入っているSFマニアの会として、またSFサークル(OR FANDOM)をよく知らない人達にはそれを知る為の広場として、活用してもらいたく思います」、「今まで日本ファンダムになかったユニークな会誌を製作すべく、努力を行なってゆきたいと思っています」とある。