神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

東京帝国大学附属図書館司書官?西脇経治郎

図書館雑誌』52号(大正12年3月13日)にヅウエイ大学附属図書館長シユウル・クウゼン「図書館の分類法に就いて」の翻訳を掲載した西脇経治郎の正体が偶然にも判明した。新倉俊一『評伝西脇順三郎』を見ていたら、西脇順三郎がイギリス留学から帰国してすぐ、大正15年7月5日弟の経治郎が東大の司書官としてフランス留学を目前に慶應病院で死去とあった。経治郎が東大附属図書館の司書官だったというのは確認できないが、大正12年10月1日現在の『文部省職員録』では同図書館司書、14年10月1日現在では文部省実業学務局の嘱託となっている。その他、生年は不明だが、大正8年東京帝国大学法学部仏法科入学、11年3月卒。『補習教育』大正15年5月号の「仏蘭西の農業補習教育」が生前最後の著作と思われる。

西脇経治郎が館界に残した足跡は極僅かであるが、オタどん版『簡約大日本図書館先賢事典 未定稿』に収録してあげよう。

(参考)「オタどん編著『簡約大日本図書館先賢事典 未定稿』