神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

世界的大旅行家としての野波静雄

野波静雄については、「野波静雄と下中弥三郎」(2月3日)、「満川亀太郎の興亜学塾の講師」(2月9日)で言及したところである。満川亀太郎「世界的大旅行家・野波静雄氏」『人の噂』昭和6年1月号には、次のようにあった。

阿片問題の研究者として、又自由港制度の権威者として、隠れたる世界的大旅行家、野波氏は昭和三年から中央亜細亜の旅に出で、ペルシヤ、トルキスタンアフガニスタンを踏破して、五年の春アフガンの都カブールを出で、印度に来てガンデイの修道院に旬日を送つた。勿論この間ガンデイと起居を共にしたのである。(略)野波氏は今、郊外中野桜山に創められた興亜学塾の講堂に、東洋事情の講筵を開きつゝある。

世界的大旅行家だったという野波だが、いつどこでどのようにして亡くなったのか、まったく不明である。