神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

小野忠重と本所図書館主任山田正佐(その2)

小野忠重と本所図書館主任山田正佐」(8月1日)で言及した小野と山田だが、小野の「本の裏がわ」(『書窓』6巻1号、昭和13年6月)によると、山田は小野の畏友だったという。

この蔵書票は版画家として喜びの一つであるらしいが、私のものは、版画家らしい自刻のデザインは持つてゐる様なものの極めて事務的に数年分を印刷機械にかけたもので、これに蔵書番号を書き込む。いはゞ図書館の仕事なのである。うべなるかな、淀橋図書館長をしてゐる畏友、山田正佐氏との長い交遊が何時の間にかこんな健やかな愛書癖をつくらせてしまつたのである。

後年の回想では日比谷図書館長と間違えていたが、さすがにここでは山田について正しく淀橋図書館長と書いている。山田の方は、小野のことを畏友と思っていただろうか。