神保町系オタオタ日記

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結城素明と伊上凡骨

盛厚三木版画彫刻師 伊上凡骨』(ことのは文庫、2011年3月)8頁に、目次に伊上純蔵の名前が初登場した『明星』明治35年1月号には、どれを凡骨が彫ったものか不明だが、結城素明、山本幽香、岡吉江、藤島武二らの挿絵版画が載っているとある。この結城は、凡骨と親しかったのか、『藝文家墓所誌』(学風書院、昭和28年8月)に、

伊上凡骨(木版)同谷中坂町 本光寺墓地
名は純蔵、明治八年徳島に生る。十七歳上京木版彫刻師大蔵半兵衛の弟子となり廿四歳独立す。与謝野寛明星発行に際し挿画の彫刻を為して、初めて其の技両を認められ、凡骨の名も寛の命名するところなり。当時称揚せられたる一人なり。昭和八年一月二十九日歿享年五十九。

と書いている。

(参考)「盛厚三『木版彫刻師 伊上凡骨』(ことのは文庫)刊行」(5月18日