黒岩比佐子『古書の森 逍遙』(工作舎)の書籍コード027は、宇保野昆陽『新はがき用文』(田村照春堂、明治34年10月初版)。
著者は宇保野昆陽とあり、もちろん聞いたことがない名前である。国会図書館で検索してみると、この筆名ではこの本一冊だけ、別名の野入佐次郎の名前であと三冊が一覧になって出てきた。『新はがき用文』の中には、どこにも野入佐次郎という名前は出ていないが、宇保野昆陽と同一人物だということを国会図書館ではどうやって把握したのだろうか。そのあたりの事情はちょっと気になる。
と、黒岩さんは書いている。国会図書館の近代デジタルライブラリーで『新はがき用文』(名倉昭文館、明治34年10月)*1を見ると、表紙では宇保野昆陽編、1頁では宇保野昆陽著とあり、奥付には編輯者野入佐二郎とある。また、野入佐二郎の住所は、野入佐次郎『唄十八番』(此村欽英堂、明治34年9月)*2の奥付の野入の住所と同じである。これらに基づき、同図書館は、野入佐二郎=野入佐次郎=宇保野昆陽としたのだろう。
余談だが、深川いっぷくでの黒岩比佐子追悼番組第3回で、『古書の森 逍遙』について、「結局最後は採算を多少度外視して、黒岩さんを喜ばせるために出す本になった」というような趣旨の発言があって、泣かせた。
(参考)『古書の森 逍遙』の補足記事一覧は、12月15日。
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佐伯順子『「色」と「愛」の比較文化史』(岩波書店)の岩波人文書セレクション版を見てたら、佐伯先生はベルリンにいるようだ。年末年始はどうするのだろう。
- 作者: 佐伯順子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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NHKラジオ第2で菅野昭正氏が「永井荷風再考」を1月から開始。
http://www.nhk.or.jp/r2bunka/ch04/1101.html