『吉田巌日記』は索引もないので、使い勝手が悪い。吉田と催眠術については、今月12日に言及したが、そのきっかけはどうやら明治39年に遡ることが判明した*1。
明治39年7月17日 まっしぐらに中村町をわって木崎叔父さんの宅についた。(略)二階で休みながらふとみると、机上に本がある。(略)面白いの、面白くないのって、これが年ごろ聞いたことがあっても、未だ見参には及ばなんだ催眠術といふ・・・これまで一種奇怪の感がせられてをったところの・・・ことについての書である。見だしのおもしろいのをひろってよむ。(略)だいたい一わたり催眠術の性質、施し方等は自分ながら会得したつもり。今にも一つ試験して見たいといふやうな心が、たっぷり。(略)
なほ、序にかの催眠術の著書を記しておかう。斯道の研究家、近藤嘉三氏。多少素養がある人らしい。記事は、和漢洋にわたって該博である。後日、研究の参考ともならうかと、思ふままに。
叔父の家で読んだ本は、近藤嘉三『催眠術独習』(大学館、明治37年1月)と思われるが、後に吉田はこの本を購入することとなる。吉田は、この当時、福島県相馬郡真野村の鹿島小学校分室の代用教員を6月に辞職し、北海道に移住する直前の時期である。
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*1:『吉田巌日記第四』