神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

堀多恵子と東大名誉教授加藤俊彦

室生犀星の日記に、堀辰雄夫人多恵子の弟が出てくる。

昭和26年8月13日 加藤夫妻、中村真一郎夫妻来る。堀君にちもとの菓子を加藤俊彦に持つて行つて貰ふ。加藤は堀夫人の弟さんなり。

    8月28日 堀夫人来訪、堀は畳の上を這ふやうになり、便器で一人で用を足せるやうになつたさうである。これも多恵子夫人のおかげである。去年からマイシンを四十本打つたさうだ。自作のきうりを貰ふ。

この加藤俊彦だが、経済学者で東大名誉教授の加藤(大正5年5月17日生、平成17年11月10日没)とは違うのだろうなあと、思っていたら、加藤名誉教授は香港生まれ、多恵子は静岡県生まれで香港育ち*1で、両者の父親は日本郵船の社員だったようだから、同一人物らしい。

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坪内祐三氏が書いていたが、8月17日までINAXギャラリー大阪で「幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷展」開催中。無料。

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久し振りに大きな本屋へ行ったら、堀江あき子編『栗本薫中島梓 JUNEからグイン・サーガまで』が出てた。

栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)

栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)

*1:多恵子の『返事の来ない手紙』所収の「旅」によると、母は多恵子を産むため、一時帰国し、静岡県相良村(正しくは相良町)で牧師をしていた祖父の牧師館で出産し、三箇月で多恵子と共に香港に戻ったという。