神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大伴昌司の一番の自慢は『アメージング・ストーリーズ 日本語版』

桂千穂氏は『シナリオ』で連載の「桂千穂の映画漂流記」に二回にわたり、大伴昌司について書いている。そのうち、64巻8号(平成20年8月)の「第22回続・大伴昌司のこと」によると、

利殖の才能に長けて懐が温かかったせいか、海外ミステリイはもとより、おびただしい蔵書の持ち主だった。稀覯本の類も多かった。神田あたりにも見られない映画の古書もあったが、一番の自慢は米英のホラー短編小説を集めた<アメージング・ストーリー>のシリーズ日本語版だった。まだホラーブームの影も形もない時代だ。今でこそホラーマニアを気取る私ですら、そんな雑誌のあることすら知らなかった。

『アメージング・ストーリーズ 日本語版』は、昭和25年4月〜7月に刊行。石原藤夫氏(昭和8年生)は『SF図書解説総目録(1946−70年) 上』で「小遣いの関係でやっと一冊だけ購入し、他は全て東京青山の書店で立読みした」というが、昭和11年生の大伴は新刊で買ったのか、後年古本で揃えたのか。私も数冊は持っている*1が、今では持っていても、あまり自慢にならないか。なお、桂氏は同連載では広瀬正について言及していないようだ。

*1:2009年4月22日参照。島田古書センターで買わなかったと書いたが、一冊は買ったような気がする。