森まゆみさんが、「松岡虎王麿の南天堂の経営が大正14年に取次の上田屋に経営が替わった」ことをなないろ文庫ふしぎ堂の田村治芳氏から聞いた*1と、『ちくま』1996年4月号に書いている。このことは「人と事業」『日本出版大観』(出版タイムス社、昭和5年10月。金沢文圃閣から復刻)にも出てきた。
南天堂書房 上林行一郎 明治十九年二月生 本郷区駒込東片町一〇五
(略)元本店は松岡某氏の経営になつたものだが大正十四年上田屋に移り爾来上林行一郎君が主任として経営の衡に当つてゐる。
君は新潟県寺泊町に生れ、早稲田中学から同大学商科に学んだ。卒業*2後、志願兵として第五十八聯隊経理部に勤務し三等主計となつた。大正八年懇請されて上田屋書店の支配人に重用され店主上田氏*3を輔けて店務を当つてゐたが、南天堂が上田屋の所有に移るや抜擢されて其の衡に当り経営の粋を極めてゐる。
森さんの南天堂に関する論考はまだ本になっていないが、なぜだろう。
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国会図書館館長の長尾眞氏の『電子図書館』(岩波書店)の新装版が出てた。しかし、新装版よりもお膝元の国会図書館を何とかしてくれ。
・毎年のように発生するOPACのシステムダウン。
・雑誌記事索引から検索して申し込みができるのはいいのだが、冊子体とマイクロ版の両方存在する文献の場合、雑誌記事索引からは冊子体とのみリンクしているようで、カウンターで「マイクロでの利用のみ可能で、別書誌扱いとなります。手続きをするので、お名前を呼ぶまでお待ちください」とやられてしまう。一々利用者の承諾を得なくとも別書誌への切り替えの手続をしておいてくれるか、雑誌記事索引とマイクロ版をリンクするようにしてくれ。
・「小谷野」で検索すると、画面上部の「検索条件」の欄に「小谷埜」と表示される(実は、「小谷野」に限らず、「野」はすべて「埜」と表示される)。検索に何の支障もないのでどうでもいいことではあるが、気になる。