神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大正期の通信図書館

『現代仏教』創刊号(大正13年5月)に「通信図書館を御利用下さいませ」という広告が載っている。甲子社書房図書館係(東京市麻布区笄町一二六)が営むもので、実態としては郵送専門の貸本屋のようだ。毎月15日に発行する図書目録(五銭)記載の本(仏教書のみ)から選んで、保証金として定価の金額に送料を添えて申し込む方式という。貸出期間は到着後一週間で、本が返却されれば、貸出料(定価の一割)と返金手数料を差し引き、保証金を返すという。要するに定価の一割に送料と返金手数料を加えた金額で借りられるわけだが、一旦は定価相当額を支払わなくてはならない。そんなことするくらいなら買った方が早い気もする。有料かつ原則館外貸出し禁止の所が多かったであろう図書館とは勝負できても、一般の貸本屋に勝てただろうか。そもそも図書館も貸本屋もない地方をターゲットにしていたということか。

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『波』4月号によると、『新潮』5月号に中森明夫氏の文藝誌初小説「アナーキー・イン・ザ・JP」(500枚一挙掲載)。主人公は大杉栄
彷書月刊』は大逆事件100年の特集で、黒岩さんの執筆はないが、女史が執筆中の堺利彦伝に言及している人がいた。

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ジュンク堂池袋本店でよく見かける「オバサン」田口久美子さんの『書店員のネコ日和』(ポプラ社)が出てた。
書店員のネコ日和