玄文社から大正8年に刊行された2冊の翻訳小説『金か女か』(6月)と『名ばかりの妻』(1月)の訳者金尾夏子は、金尾文淵堂の金尾種次郎の妹であった。
徳冨蘆花の日記によると、
大正7年11月23日 金尾の妹は、翻訳を結城(*)の世話で出すと云ふ。金尾が泣菫の茶話の話をする。結城が後の茶話の広告をするので、前のが売れる云々、と泣が曰ふ。
*原注:礼一郎。号、桂陵、玄文社の「新家庭」編集長。もと民友社社員。
石塚純一『金尾文淵堂をめぐる人びと』によると、夏子は、明治20年生、昭和20年没。まだまだ女性の翻訳家は珍しかった時期と思われるが、どこで語学を学んだのだろうか。種次郎の妹の翻訳とわかって、古書価が値上がりするかしら。といっても、日本の古本屋には在庫なし。
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テレビはあるので、ブラタモリは見てたけど、無縁死の方は見てない。わしも死んだ後のことは知ったこっちゃないという方である。