女性の司書というと、故人だが、坂西志保さんが著名な人の一人だろう。中公新書の『アメリカ議会図書館』で初めて名前を知ったような覚えがあったが、改めて見てみると、名前は出てくるものの、詳しい説明はない。むしろ、反町茂雄の『一古書肆の思い出2』だっただろうか。坂西は、ミネルヴァ日本評伝選あたりに誰か書いてもよさそうな気がする。
坂西については、『坂西志保さん』に略年譜が載っていて、昭和18年の欄に「日本学術振興会第十七小委員会研究嘱託を兼任」とある。ところが、この小委員会(第十七小委員会=日本古典英訳委員会で、謡曲の英訳を行っていた)のメンバーだった阿部次郎の日記昭和17年12月21日の条に、「東京帝大図書館、学振(坂西女史初出席)“松風”検討未完五時帰」とあり、同年には嘱託になっていたと見るべきか。
あと、大佛次郎の日記昭和20年9月26日の条に「坂西志保さんが来る。一ヶ月半の契約で千円渡す」とある。大佛は、英会話でも習っていたのだろうか。
女性司書は、ほかにも鳥居美和子なんて人もいるが、これはわすと誰ぞくらいしか知らないだろう。
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『波』2月号で、新井素子・有川浩の対談を読む。それは、どうでもいいが、『新潮』3月号の予告が載っていた。日記好きのわしには、面白そうな企画。52人の小説家の昨年の日記をリレー方式で掲載。といっても、わしが関心のあるのは、筒井康隆、川上未映子、奥泉光、高橋源一郎、角田光代、笙野頼子ぐらいか。