神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

戦時下の美術史家−矢代幸雄の場合−


矢代幸雄は、『私の美術遍歴』で戦争中から戦後にかけてのこととして、次のように回想している。

(略)鉄道界の三長老、満鉄の大御所であり、後に交通公社の総裁になられた大蔵公望さん、北京中心の華北交通鉄道の総裁の宇佐美寛爾さん、奈良中心の大きな電車会社近鉄社長の種田虎雄さん、この三人の仲の良い鉄道人がどこかで一緒に会合した時、誰が言い出されたのかしらないが、矢代さんは小さな美術研究所の創立を引き受けて以来そればかりを抱えて長い間苦労してきた、今英米派とか何とか言われて研究所もやめたそうだが、一つ三人で何とかしてやろうではないか、ということになったそうで、私はこの三つの鉄道関係の大会社の嘱託のようなものになり、かつ私の研究に一番必要な内地や大陸旅行がかなりできるようにしてくれたのであった。


華北綜合調査研究所との関係は隠すほどのものではないから、省略したのであろう。ちなみに、矢代も東大英文科出身のようだ。

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三省堂書店神保町本店で「晶文社創業50周年フェア」が先週の土曜日から始まった。『sumus』の「まるごと一冊晶文社特集」が出るまでやっているかしら。

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今週も読売に黒岩さんの書評がないので「しょぼーん」としたら、来週の予定にずばり黒岩さんが書きそうな書名があったので「シャキーン」となった。