神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

戦時下の心霊実験と小田秀人


ma-tango氏が外国の心霊ネタを書いていたので、わしは大日本帝国の心霊ネタを出しちゃう。
満鉄理事の後、貴族院議員となった大蔵公望の日記に小田秀人の名前が出てくる。大蔵が世界紅卍字会後援会の理事だった関係のようだ*1

昭和14年3月20日 八時、遠藤柳作氏を中心とする紅卍字後援会主催にて、小田氏主催にて内山夫人外一氏を霊媒とする神霊呼出し会に出席、集るもの十数名。余の書きたる「戦争は何時すみますか」に対し明答あり驚嘆す。世の中にこんな事があり得るかと思ひ不思議なり。一〇時三〇分帰宅す。


    5月8日 一二時、今度赤阪(ママ)区丹後町に新設の紅卍字後援会に行き、理事会に出席す。


    5月23日 小田秀人氏、霊界実験の打合せ、日の都合悪く断はる。


    11月1日 <来訪>小田秀人氏、紅卍字会に新理事を入れし報告。


  15年6月5日 夜八時より左の人々を招き小田氏の神霊実験を見る。
        松井大将、松井中将、佐藤安、種田、下村、緒方。今日は稍不出来なりしがとに角前回と殆んど同様にて不思議の事なりし。


  17年5月13日 一二時、世界紅卍字会後援会の久し振の理事会を延寿春に開く。松井、呉、小田、其他の人々出席。東京の華僑に話しかけ、それが中心となり、紅卍会道場を設けさせるようにすることに決定す。

15年6月5日の条の「下村、緒方」は下村宏、緒方竹虎かしら。
「遠藤柳作」は満洲国国務院総務庁長の後、貴族院議員。「松井大将」は松井石根、「松井中将」は石根の弟で社団法人日満中央協会理事長の松井七夫、「種田」は鉄道省運輸局長の後、大阪電気軌道株式会社(近畿日本鉄道の前身)の社長となった種田虎雄のようである。

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坂茂樹『封印漫画大全』(三才ブックス)なる本が出てた。

*1:世界紅卍会後援会は昭和13年日本で設立。小田は後援会で主事をしていた。昨年11月25日参照。