神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

内務省の「子供雑誌編輯改善要項」がつぶした少年雑誌


平井昌夫編の「国語国字問題年表」によると、昭和13年10月内務省は児童読物改善のため、「子供雑誌編輯改善要項」*1を指示した。内容は、小活字の使用禁止・ふりがな廃止・漢字使用制限で、昭和14年2月号の子供雑誌から適用された。この措置によって、児童雑誌は大きなダメージを受けたようだ。新井静一郎の日記*2によると、

昭和14年7月13日 博文館の道広氏が丁度来合わせていて、一緒に連れ立ってコロムバンへ行く。/道広氏が、少年雑誌にルビがつかなくなってから、売行が目だって減っていると話す。仕方がないので「新少年」は改題し、内容を一変させて、もう少し上の青年層を狙うとのことである。ルビ問題がそんなに影響しているのかと、今更のように驚く。


『新少年』は、『日本児童文学大事典』によると、昭和10年4月創刊、14年8月廃刊のようだ。結局、振り仮名廃止による売り上げダウンによって、つぶされてしまったことになる。この内務省の措置の影響を調べた先行研究は存在するだろうか。

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SPA!』の「超本好きたちのトンデモ生活」特集を立ち読みす。トップに田中栞さん登場。南陀楼綾繁積ん読フレンズ『山からお宝』(けものみち計画、2008年12月)を思い起こさせる。

*1:ググると、「児童読物改善ニ関スル指示要綱」と書いてるものがあるが、そちらの方が正しいか?

*2:『ある広告人の日記』ダヴィッド社、1973年9月。