なにやら矢野暢先生が再び話題になっている感じがする*1。
さて、矢野先生は戦時中の西村真治の言動を批判している。『日本の「南進」と東南アジア』(日本経済新聞社、昭和50年1月)によると、
戦時中に活躍した西村真次は、そのような擬似専門家の一人であった。かなりの数の文献を残しているが、試みに代表著である『南方民族誌』(昭和十七年)をみると、そこには驚くべきほど堕落した知性がひそんでいる。南方諸国と日本とが「どんな体質的・文化的関係にあるか」を民族学的に考察している筈なのだが、とてつもない思い付きが羅列されているだけなのである。/(略)けっきょく、落ち着くところは、次のような考え方なのである。「そうした重要性ある文化的事績まで、日比間に交聯のあるということは、愈々以てフィリピン諸島がアメリカの覇絆を脱して、日本の指導下に独立国として大東亜共栄圏に加わるのが当然であることを証明する」。ごく最近まで、日本人がこのようなあやしげな東南アジア観をもっていたという事実を、私たちはもっと直視しないといけないように思う。
戦時中の言動を批判するのは容易だが、自分が同じような立場にいたら、どうしていただろうかと考えると、批判するのは中々難しいものである。
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古本強化月間の10月
10月4日(日)〜11日(日) 日本の古本屋博(東京古書会館)
10月9日(金)〜13日(火) 四天王寺秋の大古本祭り、天満天神古本祭り
10月10日(土) 秋も一箱古本市2009(谷中・根津・千駄木)
10月20日(火) 岡崎武志『古本検定』(朝日新聞出版)発売
10月23日(金)〜25日(火) 古書の日・古書月間 協賛 OKK(大阪古書会館)ブックフェア
10月24日(土)10:30〜12:30 黒岩比佐子さん「関西学院大学オープンセミナー(村井弦斎の“食育小説”に学ぶ―明治のベストセラー『食道楽』)」(兵庫県三田市)
10月27日(火)〜11月3日(火・祝) 神田古本まつり
10月30日(金)〜11月3日(火・祝)秋の古本まつり(百万遍知恩寺)
10月9日の古本祭り二連発に、新型シャカシャカウイルスが出現する悪寒がするだす。