神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

長谷川天渓と大橋図書館


長谷川天渓の門下生だった田内長太郎は天渓の蔵書処分を托されていたという。
田内の「天渓先生の蔵書整理にあたつて」(『書物展望』11巻5号、昭和16年5月)によると、

(略)中でも、古本屋の人達からしきりに訊ねられた明治末期から大正期へかけてわが国の文学界で刊行されたものに至つては、殆どただの一冊も残つてゐなかつたのだ。(略)それらが殆ど一冊も残つてゐないのは、多分あの大震災で焼けた大橋図書館の再建に際して、それへそつくり寄贈せられたものと思はれる。もつとも、それを私は直接調査してみたわけでもないが、その辺のことを奥様にお尋ねしても、奥様も「そんなことがあつたやうに憶える」と言はれるのである。


天渓は大正15年6月に大橋図書館の協議員に就任しているが、就任時に「寄贈」したのであろうか。

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あっ、気がついたらページビュー数が71万を超えている。はるか彼方に仰ぎ見ていた「くうざん先生」にもうすぐ追いつけそうである。しかし、猫猫先生があっと言う間に誰ぞ(岡山に出現していた!)を追い越し、36万*1に達している。オタどん、あやうし、あやうし。

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江戸川乱歩邸の公開が10月10日(土)(12:00〜14:00、15:30〜16:30)と25日(日)に。もっとも、土蔵の方は中に入れずに、入り口から透明のアクリル板越しに中を覗くだけなので、ネットで見れば十分という人もいるかもしれない。わすは、何年か前に見ました。近場の人でまだ実物を見てない人はついでがあれば見に行きませう。10日は「ミステリー小説講座」もあり。

(参考)旧江戸川乱歩邸立教大学

*1:ただし、最近リセットされた数字である。