「土曜会」という会は幾つか『日本近代文学大事典』に出てくるが、岩谷書店が主宰した土曜会は出てこない。この土曜会は、神保町のらんぼおで開かれたものである。黒田三郎の日記*1によると、
昭和22年3月30日*2 昨日田村の所へゆくと土曜会に出ないかと云う。木下(常太郎)氏や中桐君もくる筈だというので行ってみたら、中桐は来ない。束原(ヒサ)君にジャワ以来はじめて逢う。千枝もいるし、木原、鮎川、明智、松村、堀越の諸君がいる。木下と福田が遅れてやってきた。
6月8日 七日は、(略)放送局のかえりランボオに寄ると常になく集っている。福田、木原、鮎川、田村、岩谷、三好、明智、北村、疋田、堀越、梅野、その外数名という盛況。早くひとりだけぬけ出す。
6月21日 インタビュウの始末を十二・三枚の記事にして出してそれから神田ランボウの土曜の会に顔を出す。
土曜会には、田村隆一、中桐雅夫、木原孝一、鮎川信夫、明智康、松村=北村太郎、堀越秀夫、福田律郎、岩谷満(岩谷書店の創業者)、三好豊一郎、疋田寛吉らが参加していたことがわかる。黒田の日記は昭和24年4月30日分まで刊行されているが、それ以降も日記は存在するようである。それを見れば、らんぼおの閉店時期がわかるかもしれない。
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「sakura-iro-yumeの日日是好日」さんのところで知ったが、『世界』10月号から内澤旬子さんの「飼い喰い」の連載が始まった。大逆事件の連載は立ち読みしてたのだけど、気が付かなかった。