神保町系オタオタ日記

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原武史『松本清張の「遺言」』への疑問(その2)


荒俣宏『決戦下のユートピア』(文春文庫)には、大東亜心霊学とも言うべきネタが書かれている。その中に昭和9年12月杉並署に検挙された皇道日月団といういかがわしそうな宗教団体が出てくる。

この教団は昭和八年に旗上げされたものである。教祖穴井元喜が中国を放浪中に大本教の評判を知って神様商売を思いつき、内地に帰還したのち設立した。この教団が検挙されたきっかけとなったのはスキャンダルである。信者に多額の金を出させ、そのあげくに自殺未遂事件をおこしたのである。この教団では日ノ神・月ノ神をまつる神棚用具を法外な高値で売りつけていた。


当時の新聞記事によれば、荒俣氏の言う「中国」とは満洲のことのようだ。満洲大本教に倣った神様商売を思いつき、しかも月の神を祭るとは清張が『神々の乱心』で創作した「月辰会」を髣髴とさせるではないか。原武史氏は、「月辰会」のモデルとして道院、大本教のほか、天津教、神政龍神会、天理研究会、真の道を指摘しているが、この皇道日月団もモデルの一つかもしれない。ただ、新聞記事だけでは団体の実態がよくわからず、また、荒俣氏が色々書いてくれていることの典拠も不明なので、引き続き要調査である。皇道日月団に注目だす。


(参考)8月9日

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